どもっ!
1/72の飛行機モデルは大抵、手のひらサイズでお値段も手ごろ。製作時間も短くてすみ、そしてその大きさゆえにコレクションしやすく人気のあるスケールにはちがいありません。
完成物が小さい分、ただ隙間を埋めて、色を塗っておしまい。
となりがち、もちろんすぐに完成できるのも精神衛生上非常に宜しくそれも面白いのですが、ここ一番と言う時に気合を入れて作り込みをすると作品として小さいスケールゆえに映えるというもの。
しかし、その小ささゆえにその表現方法にも苦慮しているモデラ?も多いのでは。そして展示会などで一際目立つためには色々なテクニックを身に着けるのが肝要!
そんなお悩み1/72航空機モデラーにおススメなのが
バリアント・ウィング・パブリッシング刊
Airframe Workbench Guide No 1
Aircraft Modeling
店頭価格3,672円
本書は英国リボル・ジェキル氏が記した1/72スケール航空機のテクニックガイド。
全部で9つの章に分かれていてそれぞれ1/72の表現にふさわしいテクニックが紹介されている。
- リギングテクニック
- スジボリ
- レジンキットの作り方
- リベット表現
- ウェザリングとカモフラージュペイント
- 冬季迷彩
- 羽布、木材とストライプ模様
- メタル表現
- クイックビルディングのすすめ
注目ポイントの一つとして、作業しながらテクニックが読めるようにと、A4サイズを正方形に縮めたサイズでリングで閉じてあるのはありがたい仕様。
さて、それでは本書の内容を解説します。
リギングテクニック
ここではエアフィックスのグロースターグラジエーターを使ってリギング(貼り線)の仕方を説明。貼り跡を目立たせない方法や、おなじみ伸ばしランナーを使った新しい表現法など掲載。
スジボリ
飛行機モデルで大きいスケールと小さいスケールだとスジボリの要領がちょっと違うと思うのはヤマさんだけではありますまい。ということで1/72に特化した方法が解説してあります。ちょっと日本だと見慣れないツールが一部ありますが大丈夫。
レジンキットの作り方
日本以上に小さいスケールガレージキットメーカーが多いイギリスならではの章。バキュームのキャノピーの取り付け方は他のスケールものに使えるいいヒントになりました。
リベット表現
この章は2種類のリベットの表現方法が載っていますが、目からうろこのハウツーがこれは是非、読んでいただきたいです。
ウェザリングとカモフラージュペイント
ベトナム戦時代のオリーブドラブのAH-1コブラを作例に小さいゆえに塗装が単調に成りやすいところをシャドウ―を付けながらAKとMIGのペイントを使用して完成させています。1/72のコブラはほんと細くて、小さいのでステップごとに解説された本書は大変便利。
冬季迷彩
AFVのモデラーにはよく使われる技法、はがれた冬季迷彩。それの技法をロシア東部戦線のBf-110に落とし込みました。スケールにあったチッピングやスクラッチすることで違和感なく作例に生かされています。この非常に説得力がある重要なスキルは第二次大戦の日本機にも応用可能な気がします。
羽布、木材とストライプ模様
あると便利な3つのスキルを紹介。作例にグライダーを使用して説明。1/72での木目、帆布地、ストライプ各表現をスケールエフェクトばっちりに解説。
特に帆布表現は勉強になります。
メタル表現
P38を作例に塗料メーカー各社のシルバーを考察。塗装だけにこだわったテクニックはなかなか重厚な作例となっております。
クイックビルディングのすすめ
リベル氏が考えるサクサク作り上げるノウハウを系統だって説明。いかにミスを少なくするかを中心にストレスフルに作品を作り上げるために何が欠かせないかをまとめの言葉として結んでいます。
昔、昔海外のプラモハウツー本と言えば日本で売っていない素材などが多くて参考にならないことが多かったのですが、本書はクレオスなどを取り上げていたり、大半の素材など日本で手に入るものばかり英文といっても豊富な写真で、中級モデラーなら意味も分かると思います。
1/72の飛行機の模型のテクニック集は珍しいと思うのでおススメです。