こんばんは!「番頭」です。
満開の桜に雪景色ってのも、ナカナカ珍しいんじゃないですかね?
風流というか、エモいというか。これはコレでいい感じの景色。
そして、ここ川越では道路への積雪も消えて大ごとにならなくて良かったです。
さて、本日のブログは、ここ連日書いておりました
「中華電動ガンPPSHのマルイ化カスタム」の最終話の1個前です。
この記事だけを何かの拍子でポンと読んでいる方にあらすじですが
ちなみに、1回目のブログ記事はコチラ。
↑リンクしています。
この時は、新品の本体の出来が、初期ロットのモノより良くなっている事、
試しに撃ってみてデーターを取って、カスタムパーツを集めた所でした。
2回目のブログ記事がコチラ。
↑リンクしています。
カスタムパーツを組み込むために、本体の内部をバラバラに分解していく手順をご紹介いたしました。
PPSHの分解手順を細かくご紹介していた事はなかったと思いますので、忘備録としても。
そして、昨日の3回目のブログ記事がコチラ。
↑リンクしています。
そのまま無加工でカスタムパーツを組み付けても、PPSHの場合はセットアップが出ないので
この機種に合わせて、パーツの現物加工をしましょう!という記事でした。
今日は、カスタムパーツを組み上げと調整をして、メカボックスを完成状態にしましょう!
手順を追っていきますが、まずはメカボックスを組み上げていきましょう。
最初に入れ替える部品はココ。
現状でも動作はしますが、安定した性能という事ですとピストンヘッドの交換は必須。
基本的に中華電動ガンは、ピストンヘッドについている圧縮空気を押し出すOリングが固すぎる現地仕様のままです。
0.98Jという威力の基準は日本国内独自の基準でして、海外各国では国によって変化しますが大抵、日本国内よりも威力が高いです。
んで、輸入品の電動ガンの場合は、スプリングを交換する事で威力を抑えて日本国内の基準に合わせている場合がほとんどです。
バネ以外は特にパーツ交換していないですね。
という事で、内部のゴムの固さが海外の高威力用のままですので、バネガ弱い分、バランスが崩れておりセッティングが出ていないんです。
Oリングの硬さが合っていないという事は、どういう事かと言いますと、噛み砕いてご説明します。
ダダダっ!と連射をしている時に、毎回「同じ圧力の空気」を押し出せば、同じ勢いで飛んでいくはずです。
威力にバラツキがなく、初速を計測しても、ある程度の範囲内で計測数値に変化がないはずですよね。
おんなじ威力で発射されるので、全弾同じように飛ぶはずです。
結果として、連射時の弾道がまとまって安定するって事です。
これが、ピストンヘッドのOリングの固さと、バネの圧力が合っていない場合は威力が毎回変化します。
いわゆる、圧縮がキレイに出ていない。初速がバラつくという事。
威力が、強い、並み、微妙に弱い、並み、チョット強い、並み、って感じで飛んでいく勢いに変化があるってことになります。
イメージでいうと、真ん中に纏めて集弾するのではなくて、北斗百裂拳みたいな弾道になるって事です。
つまり、当たらない。
もちろん、国内メーカーのパッキンは、国内の威力に合わせたゴムの固さにしています。
なので、交換するわけですね。
今回のパーツチョイスは、ヘッド形状も効率化されていて、ヘッドOリングのの固さもちょうど良い
ライラクス製のPOMヘッドに交換。ケイ・ホビーでは定番ですね。
PPSHの場合は、ピストンの形状はマルイのコピー品というべき形状で
特に問題なく使えて強度も耐久性も0.98Jでは問題が無い程度ですので、ヘッドパーツのみの交換します。
そうそう、バネ受け側のベアリングにギアグリスを塗る事もお忘れなく。
そして、お次はシリンダーを交換。
ライラクス製の穴あきタイプのDタイプに交換セット。
元々の中華純正シリンダーでもシリンダーとしての圧縮は出るのですが
今回のロットのPPSHは、穴の開いてないフルシリンダーと呼ばれるモノが入っています。
つまり、バレルの長さ「275.5mm」に対して、シリンダー容量が多すぎて安定していない原因となっています。
さて、ここから暫くはシリンダーのセッティングのお話です。
ややこしい事を書いているので、興味がない方は読み飛ばしてもOK!
~ここから解説。
きれいに飛んで当たるエアガンって事でいうならば、シリンダーのセットアップでセッティングのポイントは
・銃身の長さ
・シリンダーの空気容量(加速シリンダーとしてのピストン動作の空気を押し出すスピード)
・スプリングの硬さ
は3点バランスというか、丁度良い所があるので、これが重要です。
これが、中華純正のままではバランスが取れていない状態で出荷されている訳です。
ちなみに、加速シリンダーとは?
最初から空気を押し出すのではなく、スタートダッシュ時点ではシリンダーの穴あきで空気が横から逃げるから無抵抗でピストンが動くので
最初から空気を押し出しているフルシリンダーに比べると速く前進する。
んで、進んだシリンダーで穴位置から先の部分の空気をピストンで押し出す。
ピストンの突入の速さが早い状態で途中から空気を押し出すって事です。
結果として、空気の流れが速いので、BB弾を押し出す力は瞬発的に速いって事です。
メカボックス内部の気持ちになって考えて状態をイメージすると…。
外観の制約から短い銃身なので、銃身内でBB弾が加速するタイミング時間が短い。
なので、穴あきシリンダー(ピストンを加速させるシリンダー)で発射のピストンダッシュで
BB弾に当たる空気の流れが速い分、銃身内でのBB弾の加速が早くなる。
バレルの空気の容量は少なくなりますが、元々バレル長が短いので余る空気はいらない。
これが、銃身の長さとシリンダー容量のバランスをとる事なんですね。
では、逆にバランスが崩れているって事は?
穴あきシリンダー容量よりも銃身が長すぎる場合。
一般的にはパワーが出ると思いがちですが、長すぎると逆に遅くなる。
※途中で押し込む空気が足りなくなり負圧になって、チュポンっ!て感じでブレーキになり、BB弾の加速を邪魔をする。
フルシリンダーで銃身が短すぎる場合。
ピストンの空気の押し出す力を使いきれる前に、短い銃身なのでBB弾がバレル内での加速が不十分で、発射されるのでパワーが出ない。
まぁ、上記のセッティングがテキトーな組み合わせてで崩れていても、いきなり壊れる事はないです。
ソレなりにはBB弾は出ますし、HOPはかかります。
何となくは動いちゃいます。
ですが、最終的な飛距離の安定感とか、集弾性が違ってくるんでよね。
これがセッティングというか、動作効率というか味付けですね。
ちなみに、元々の中華純正のセッティングはどうなっているのか?
最初は、フルシリンダーで短いバレルで組付けられています。
ですので、あまりバレル内で加速しにくい。
解決方法として、もっと硬いバネでピストンスピードを上げてBB弾を押し出す。
という強引なセッティングになっています。
中華純正は、マルイ化セッティングに比べるとバネが固いので、ギアにもメカボックスの軸受け&ケースにも負担がかかります。
だから、寿命が早く来る。
そういう訳で、中華電動ガンは壊れやすい機種があるって事につながります。
適切なバネ(中華純正より柔らかいバネ)を使って、キレイに動作効率を求めている。
結果として、中華純正よりも、内部の消耗や負担がかかりにくくなるって事です。
今回のライラクス製のシリンダー。いろいろな穴位置の商品がございます。
フルシリンダーのタイプAから、容量が減った位置に穴が開いているシリンダーで
B~Fまで、ラインナップが豊富です。
これを銃身の長さに合わせて使い分けて、セッティングを取っています。
そうそう、ぶっちゃけますけど色々と理屈をいっていますが、
この組み合わせは「マルイ純正のシリンダーとバレル長のセッティングを真似しているだけ」です。
今回使った「タイプD」の穴あきシリンダーですが
これは、次世代電動ガンとか、SDTのMP5やM4A1で使われているシリンダーと同じ穴位置の空気容量です。
色々と長さや容量を組み合わせて私も結構なデーターを取っていますが、
結局マルイ純正のセッティングが一番効率が良かったんです。
このセッティング。ほぼマルイのスタンダードMP5電動ガンと同じくらいの組み合わせです。
ちなみに、マルイさんの電動ガンのMP5は販売されたのは平成の頭位だったから、もうすぐ30年近く。
30年前に、メーカーからこのセッティングで市販されていたって事を考えると
やっぱりマルイの技術力はすげぇ!って事ですねぇ。
私のいう「マルイ化」って、ただモーターを入れ替えただけではないんですよ。
~シリンダーの解説はココまで。
さて、シリンダーを交換した場合、PPSHの中華純正シリンダーの方が肉厚のパイプでして
国産品のシリンダーに組み替えると、シリンダーヘッドとシリンダーの間に隙間ができて、横から空気が抜けてしまいます。
ですので、昨日のブログでもご紹介した
シリンダーヘッドにシールテープを使ってシリンダーへのOリングの当たり面を調整する事で
空気がロスすることを防いで組み立てます。
次は、メインスプリングを交換します。画像の上が交換品。下段が中華純正。
いわゆる、長期使用で破断したり、メカに負担をかける硬い中華のバネを捨てて、
アングス製の0.9Jスプリング Sタイプのバネに交換。
マルイのスタンダード純正スプリングより少し強い硬さにバネレートを、かなり落としています。
柔らかいスプリングの方が、機関部やモーター・電気周りへの負担が軽くなります。
長寿命が見込める訳ですね。
アングスさん所のバネは破断しにくく、へたりも少ない。
そして何より品質が安定しているので、個体差がほぼ無いので狙い通りのセッティングになりやすいので
組み合わせデーターを持っていれば、1発でセッティングが決まりやすいんで、使い易いバネなのでお気に入りです。
さて、シリンダー回りをチョイスしたら、今度はギアやモーター周りですね。
モーターは東京マルイのEG100Sモーターに換装。これは単品販売もしていてよく売れるモーターの一つ。
中華の純正はトルク型(ひっぱり型)モーターで最大回転は抑え目となっております。
中華電動ガンは、基本的に日本向けにバネだけの交換であとはそのままの事が多いです。
海外のパワーにあわせて。硬いバネを引っ張るために、モーター回転を落としている訳ですね。
なので、回転が遅いと。
軽いバネに入れ替えたとしても、モーターの回転数は変わりませんからマルイ純正電動ガンのモーターより連射回転は遅いです。
日本仕様にするならば、引っ張りトルクと連射回転のバランスを考えて、消費電力も考えると、やはり東京マルイのモーターは
コストと、性能のバランスが最適といえます。
1回目の記事のデーターを振り返りますと
ですので、未改造時の測定では、秒間11発程度。マルイの純正ですと15発程度ですのでチョット遅い。
あとモーターに当たるベベルギアも東京マルイのギアに交換です。
ここのセッティングが決まってしまえば、あとは割と簡単にセットアップできる事が多いです。
特に、モーターの頭のギアとべベルが違うメーカーで混ぜて組むと、
簡単にモーターの頭ギアがあっさり削れて、モーターが死にます。
あと、社外ギアや中華純正よりも、構造上マルイのベベルギアの方が耐久性が高いですね。
この辺を上手く組めば、キレイにマルイ純正みたいな電動ガンみたいに駆動しますよ~。
正直、ギアのシャフトにワッシャーを入れてギアのかみ合わせを調整する
「シム調整」ってカスタム好きのユーザーさんが気にしがちですが、
このPPSHの場合は、中華純正のシムセッティングで問題なしでした。
モーターのギアの当たり面だけ調整すれば、本当にきれいにマルイの純正の駆動音みたいな感じで回ります。
最近の中華電動ガンの技術力は侮れないです!
はい、シリンダー周りもギアもモーターも組めました!バネも入れ替えて、昨日のブログでご紹介した加工品のバネ受けも組みました。
メカボックスだけの状態で動作テストをしてみましょう。
おっと!ココでトラブルが発生します!
※まぁ、元々知っているんですけど、ワザと言ってみました。
仮にバッテリーを繋げても、この状態では動きません。
「おかしいなぁ~。モーターの+は赤い線。-は黒い線にちゃんとつないでいるんだけどなぁ~(棒」
はい。ここで問題です。
このメカボックスから出ている配線コネクターには問題があります。ドコでしょぅか?
正解はココ。
「中華の未改造品は、最初から本体側の赤黒の配線が逆に入っている!」です。
何故か、赤い配線がプラスではなく、マイナスで電気が流れています。
んで、モーター側の端子も逆にコネクターが刺してあって、モーターを逆回転させて帳尻を合わせているという
ホント不思議な組み合わせ。
なんで、こんな事をしているのかは、中華の謎の一つ。
まぁ、電気の流れはあっていて動くから問題はないかもしれませんが、配線の色が逆に入っているのは気持ち悪いんで直します。
こういう時の対処法として、ミニバッテリーサイズのコネクター内部のピンを取り出す工具があります。
イーグル模型製の、ピンリムーバー(EPエアーコネクター)という便利な工具です。我々の通称は「ピンヌッキー」
これで、本体側のコネクターピンを一度抜き取り、左右入れ替えてバッテリーの配線と本体の配線の色を合わせます。
そして、モーター側のソケットも赤は赤と色合わせをして、正位置回転にします。
やっぱり正常な配線位置にしないと気持ち悪いからね!
改めて、メカボックスが出来上がりました。
うん、動作テストもバッチリです。
あとは、ボディを組み上げるだけですね。
さて、キリの良いところですので、本日はココまで。
明日のブログは今日の続きで、メカボックスに外装を組み立てをご紹介して、データー測定して完成かな?
明日の当ブログもよろしくお願いいたします!
「番頭」でした!
END