9月4日午後1時半くらい、ケイホビーの「三代目」は中古品の値付けをしていた。
何気なく声をかけられ、ふと顔をあげると、にこやかな表情をした大柄な男が立っていた。
「けんちゃん」である。
三代目「どうしたんです? 何か嬉しいことでもあったんですか。」
けんちゃん「やぁやぁ三代目。今日は君に良いものを触らせてあげるよ。」
三代目「一体、なにを触らせてくれるんです!?(動揺)」
俺は戦慄した。「けんちゃん」が笑顔で鉄砲を見せびらかす時、それは大抵とんでもなく
素晴らしい一品であることを、よく知っていたからだ。
ごくり……
そして「けんちゃん」が取り出したものは、紛れもなく素晴らしいものだった。
隅々までカスタムされた、「東京マルイM&P9」である。
スライドは肉抜きされ、シルバーのアウターバレルがより存在感を増している。
グリップにも美しい滑り止め加工が施され、集光サイトが更に実用性を高める。
「かっこいい」俺は素直にそう思った。
ご丁寧に名前まで刻印されており、思わず言葉を失う。
けんちゃん「細かいことはいいから、まぁ手に取ってみなさい。」
言われるがままにコイツを握りしめると、俺はわずかに違和感を感じた。
三代目「あれ? M&P9ってこんなに軽かったっけ?」
けんちゃん「おお、いいところに気が付いたね。(満面の笑み)」
その時俺は「しまった」と思った。
このM&P9、外装もとことんカスタムされているが、それ以上に中身が凄い事になっているに違いない。
表面的な部分にだけ注目していたが、あの不敵な笑みの本当の意味は、もっと深い所にある。
「けんちゃん」の許可を得て、俺はそいつを持ってシューティングレンジに向かった。
期待が顔から垂れ流されている。
ガスと弾を入れ、そっとスライドを引き、引き金を引く。
シパッ!
引き金をとても素早く引いてみる。
シパパパパパパパパパパパパ!!
三代目「なんじゃこれええええええええええ!」
スライドの動きが、純正と全く違うものなっている。 早い、早すぎる。
例えるならば、ゼフィランサスとフルバーニアンくらいの違いである。
そもそも、本体自体の重さがあきらかに軽い。肉抜きされているとはいえ、スライドの軽快さが
目に見えて変わっている。連射性能がとにかくすごかった。
一体、どんなカスタムが施されているのだ。
けんちゃん「軽量ブリーチだよ。」
大柄な男は、満足そうにこちらを見ている。
俺は耳慣れない単語に、少し困惑した。「軽量ブリーチ」、それは何だ。
※説明しよう! 「軽量ブリーチ」とは、純正だと亜鉛ダイキャストでできているブローバックの
エンジンブロックを、アルミや樹脂に変えることでスライドの軽量化を計るカスタムパーツである。
スライドの軽量化は、サイクル向上、燃費の向上、射撃時のブレを軽減するなど色んな恩恵があるぞ。
思わず己の無知を恥じた。こんなことでは「ハイキャパいいぞおじさん」に叱られる。
そんなことで、早速軽量ブリーチの紹介だ。
フリーダムアート 軽量ブリーチ
東京マルイ G17&G26用 小店店頭販売価格 \4,800-(税込)
東京マルイ ストライクウォーリア&デトニクス用 小店店頭販売価格 \4,700-(税込)
ご存知フリーダムアート様の軽量ブリーチ。グロック用は11gと、純正の1/4以下の超軽量。
工業試作用の材料を使用している為、耐衝撃性に優れる。これさえあれば、昔の様にせっせと
肉抜き穴を空けて地道な軽量化に励む必要はない。
ゴム型成形の為、大量流通はできず、ケイホビーを含む限られた店舗でしか販売していない
レアなパーツだ。
デトニクスやストライクウォーリアは、もともとスライドが小型軽量なので、相乗効果での
燃費の良さやレスポンスの良さは計り知れない。素早いレスポンスとサイクルで、インドアフィールド
で猛威を振るうこと間違いなしだ。
ライラクス フェザーウェイトピストン ハイキャパ用・G18C用
小店店頭販売価格 \4,665-(税込)
ご存知ライラクス様の軽量ブリーチだ。おじさん歓喜のハイキャパ用と、フルオートも撃てる
G18C用がラインナップされている。特にG18Cは恩恵が大きく、ロングマガジンを一瞬で
撃ち尽くす。これ以上軽量化すると、G18Cの給弾が追い付かなくなるぞ。
ハイキャパ用も、ブローバックスピードの向上、反動軽減によりサイティングが容易に
なるなど、実用性の向上は折紙付きだ。
最後に一言注意だ。軽量ブリーチは、物によっては削って擦り合わせをしないと、きちんと
収まらない上級者向けのカスタムパーツとなっている。
このようにきれいに組み込む為には、微妙な調整が必要になる場合があります。
小店スタッフに組み付け依頼をすることも出来ますので、お気軽にご相談ください。
こうして小店スタッフ「三代目」は、また一つ新しい知識を増やした。
毎日毎日が勉強であり、発見の連続だ。
先輩から「ギルティ」を食らわない為にも、日々精進である。
早速、自分のハイキャパに軽量ブリーチを組み込んでみようと思う「三代目」であった。
それでは皆さま、良いガンライフを。
[widgets_on_pages id=2]